米大統領選で民主党の有力な立候補予定者のヒラリー・クリントン上院議員は、皆保険制の導入をめざした医療制度改革案を発表しました。個人や中小企業の税負担を軽減して保険料を補助し、財源は医療歳出の効率化などを当て込んでいます。
医療費の上昇を背景に米国の無保険者は6年続けて増えており、昨年は前年比約5%増の約4,700万人にのぼり、人口の約16%を占めます。経済分野で大統領選の焦点になっており、ほかの民主党候補予定者も皆保険を視野に入れた計画を打ち出しています。ヒラリー氏は1990年代前半、大統領夫人として制度改革を率先して行い、失敗した経緯があり、今回は教訓を生かして「比較的簡素だが、大胆さは変わらない」と話したようです。
また、民主党は医療制度問題に関しての意識喚起のため、 マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」を無料上映します。この映画は国民皆保険制度がない米国で、民間保険会社の払い渋りによって高額の自己負担分の費用が払えず、適切な医療を受けられない人々を追ったドキュメンタリーです。
日本では、医療制度改革で医療費の自己負担が増加し、株式会社の医療参入や、保険診療と保険外診療の併用を認める「混合診療」も一部解禁されています。
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