2008年2月12日火曜日

通院交通費で439万円 航空機代も 大阪・岸和田市

 大阪府岸和田市が、生活保護を受けていた男性に、東京や福岡などの病院へ通う航空機や新幹線の運賃計約439万円を「通院交通費」として支給していたことがわかりました。市は「適正な支給だった」としていますが、生活保護の医療扶助として認められている通院交通費の支給をめぐっては、北海道で多額詐欺事件が明らかになり、厚生労働省が実態調査を進めています。
 市によると、受給男性は40代で精神疾患があり、「良い医師を探したい」として、2006年8月に東京の病院へ航空機で行き、市は往復分約4万円を支給。その後も妻と一緒に航空機や新幹線で福岡市の病院へ計7回通った際の運賃約70万円など、2007年3月の生活保護終了まで計210回にわたって通院交通費を認めました。
 通院交通費は「必要最小限」を条件に全額支給され、上限はありません。市は男性が最初に東京へ通院したいと申し出た際は、交通費が高額になるため府社会援護課に相談したうえで「適正」と決定し、その後の通院先の変更は、男性の主治医の意見を聴いて認めていたということだそうです。
 厚労省は1月下旬、直近1カ月間で3万円を超す交通費について全国の自治体に実態調査を求めました。府社会援護課によれば、大阪市や堺市など政令指定・中核市の4市を除く府内では、10万円を超すような不自然な支給はなかったということだそうです。

2008年1月5日土曜日

療養病床、削減幅を緩和 厚労省修正で存続5万床増

 慢性疾患の高齢者が長期入院する療養病床の削減問題で、厚生労働省は現在約36万床あるベッド数を2012年度末に15万床まで減らす当初の計画を大幅に緩和し、5万床上乗せした20万床程度を存続させる方針に変更しました。高齢者人口の伸びへの対応と、早期のリハビリテーションを重視する観点から計画修正に踏み切るようです。
 厚生労働省は、療養病床の高齢者の半分近くは専門的な治療の必要性が低い「社会的入院」とみています。退院後の介護の見通しが立たないなどの理由で入院が続き、医療費を押し上げる一因となっていると分析。2006年の医療制度改革では、費用を医療保険でまかなう「医療型」の25万床を2012年度末に15万床へと減らし、介護保険でまかなう「介護型」は全廃する計画を打ち出しました。介護型は当時13万床で、現在11万床まで減っています。
 療養病床の廃止分は、よりコストの低い老人保健施設や有料老人ホームなどに転換し、厚生労働省は年間3,000億円の医療・介護給付の削減を見込んでいました。これに対し、日本医師会や病院団体は「医療行為が必要な人も多く、行き場のない高齢者が続出する可能性がある」と反発していました。
 だが、この削減計画は将来の高齢者人口の伸びを考慮していなかったようで、2006年末に公表された最新の人口推計では、75歳以上の人口は2006年の1,216万人から2012年には1,526万人へと25%増えます。厚生労働省は各都道府県に対し、2012年度末時点で存続させる療養病床数の目標を出すよう求め、全容がほぼ固まりつつあろます。高齢者の人口増を反映させると、全国で18万床程度が必要になります。
 さらに、当初計画では医療型の削減対象に含まれていたリハビリ用の療養病床2万床も存続させることにしました。脳卒中や骨折の後などの早期リハビリを充実させ、寝たきりの高齢者が増えないようにします。この分も合わせ、存続ベッド数は計20万床程度となります。
 ただ、療養病床の削減計画が大幅に緩和されることに伴い、医療費の削減効果も限定的にならざるを得ず、将来の税負担増や現役世代の保険料の引き上げにつながる可能性があるとみられています。

2008年1月4日金曜日

あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。
 医療業界にまつわる状況はめまぐるしく変化しています。診療報酬、医療給付費など、医院としての経営の根幹に関わる問題から、スタッフの確保、教育など、人事面の問題、そして患者さん確保に至るまでの総合的に、病院経営は厳しくなってきています。
 医療は、私たちの生活において無くてはならない者です、高齢化に伴い、ますます医療の充実は不可欠です。今年は、私たちがいかにしてこの医療業界を支えていくお手伝いができるのかがテーマです。それは私たちの使命(ミッション)でもあるのです。
 さらに、介護の問題も見逃せません。昨年から取り上げています、介護施設のあり方、経営も含め地域とのかかわり方、スタッフの意識の問題など、介護の世界も多くの問題を抱えています。
 2008年はまさに医療に関して、介護に関しての変革の年になるでしょう。我々も情報提供はもとより、より高度なコンサルティングが提供できるよう努力いたします。

2007年11月26日月曜日

外国人医師、診療解禁を

 全国知事会と舛添要一厚生労働相は、産前産後の周産期医療と医師確保対策について意見交換し、知事側は地方の医師不足対策の一環として、日本の医師免許を持っていない外国人医師の診察も可能にする特区認定といった規制緩和などを要望似たいし、厚生労働省は「免許をとったらやるべきだ」と答えました。
 会合には新潟県、奈良県など八府県の知事が出席。医師のへき地勤務の義務化や、自由に研修先を選べる臨床研修医制度の見直しなどを求めた。厚労相はへき地勤務義務化について「長期的には考えていいかもしれない」と表明。医療のあり方を広範に議論する検討会を近く設置する考えも示しました。
 周産期医療の問題では知事側が新生児集中治療室の整備や妊婦の健康診査への財政支援などを要請。厚生労働省は対策費として「2008年度予算をしっかり確保したい」と強調しました。

2007年11月19日月曜日

インフルエンザ患者数、例年より1か月速いペース

 国内のインフルエンザの患者数が、例年よりも約1か月早いペースで増え始めています。Aソ連型が多いのが特徴で、高齢者はワクチンを受けるなど、流行する前に早めの対策が必要です。国立感染症研究所が16日に発表した全国約5,000か所の定点医療機関の集計によれば、先月29日~今月4日の報告患者数は1,217人。1医療機関あたりの報告数は0.26で、昨年同時期の0.10に比べ大幅に増えています。北海道、東京都、神奈川県、沖縄県の報告数が多いようです。厚生労働省によれば、先月28日以降、全国でインフルエンザによるとみられる保育園や幼稚園、小中学校での休校(園)が4施設、学年閉鎖が16施設、学級閉鎖が58施設あったそうです。

2007年11月15日木曜日

開業医の初・再診料下げ=診療報酬見直しで一致-諮問会議

 政府の経済財政諮問会議は、社会保障費の増加を抑制するため、医療機関に支払う診療報酬の見直しを審議しました。開業医の初・再診料の引き下げや、人手不足が指摘される産科・小児救急を持つ病院には診療報酬を拡充するなどメリハリのある対応を通じ、医療の質の維持と医療費の削減に取り組むことで一致しました。福田康夫首相は「国民の安心のため、必要なところは充実、効率化できるところは大胆に削る明確な姿勢でリーダーシップを発揮してほしい」と舛添要一厚生労働相に指示したとのことです。 

2007年11月13日火曜日

医療法人の特養設置認める方針撤回

  厚生労働省は、特別養護老人ホーム(特養)の設立を医療法人にも認める方針を撤回することを決めました。慢性疾患を抱えるお年寄りが長期入院する療養病床の削減に伴い、医療法人による特養設置を受け皿のひとつと考えていましたが、社会福祉法人などの関係団体の反対が強く、断念することになりました。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で撤回方針が示されました。こうした措置を盛り込んだ老人福祉法改正案の来年の通常国会への提出も見送ります。
 現在、特養を設置できるのは、自治体や社会福祉法人などに限定されていますが、厚労省は今年6月、医療法人による設置解禁を打ち出しました。厚生労働省は2012年度末までに、36万床ある療養病床を15万床超にまで削減し、介護施設に転換する計画を進めており、医療法人の特養を転換先のひとつと位置づけていました。ところが、社会福祉法人などが「社会福祉事業の根幹にかかわり、十分な協議なしに決定するのは問題」と反発していました。
 厚生労働省は医療法人が社会福祉法人を設立して特養を運営する現行で認められている手続きを迅速化し、対応したいとしています。