2007年10月15日月曜日

高齢者の医療保険料負担について

 厚生労働省は、75歳以上を対象とした2008年新設の高齢者医療保険で、平均的な所得がある高齢者1人当たりの保険料を月額6,200円とする標準モデルを作成、低所得者へは3段階で保険料を軽減する措置がとられます。この場合、もっとも負担の軽い人で月額900円となります。角度を変えれば、高齢者でも所得の多い人にはそれ相応の負担をして貰うと言うことです。

 この高齢者医療保険制度は、小泉内閣の時に成立した医療制度改革法に盛り込まれているもので、75歳以上の全員から保険料は徴収するという公的医療保険です。高齢者の負担感は大きいものと思われます。

 これを、今回の福田内閣では、高齢者医療費の負担増を凍結すると発表しました。秋の臨時国会は、主に来年度予算を決めるのが大きな仕事。この場でこの高齢者医療費負担の凍結による財源を賄うための補正予算を検討します。

 高齢者医療費は、2008年4月から70~74歳の中・低所得者の自己負担は1割から2割に上がり、75歳以上の高齢者にも一部負担して貰う制度、この凍結により、国費が約1,000億円必要とされています。

 医療制度改革に伴う高齢者に対しての保険料負担は、完全に政治の道具とされているようです。

 さらに、厚生労働省は、医療と介護の両方の利用者の自己負担の合計に上限を設ける新制度をまとめました。年齢や所得に応じて7段階で設定、69歳以下で減益並みの所得がある世帯では年126万円、75歳以上の人がいる一般所得世帯では56万円、もっとも年齢が高く所得が少ない世帯では年19万円とする方針です。これも、政府の財政負担の問題で、国のあり方が問われます。今までの「小さな政府」路線の転換なのでしょうか、やはり、次期総選挙へのリップサービスなのでしょうか。

 これは新たに導入する「高額医療・高額介護合算制度」で、2008年4月から実施されます。

 ただ、過去、選挙の前では、国民に優しい方針を見せますが、結局は、国の財政との絡みで、一旦浮上したこれらの案は実施されると見て良いでしょう。いずれは、高齢者への医療費負担は避けられないと思われます。

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